時を越えて真夜中の第三京浜を走る
真夜中の第三京浜を走った。
愛車のセレナで、オレンジの道路灯が左右にゆっくり流れるような制限速度を少し超える速度で流れに任せて走った。
第三京浜は学生のころ、毎日走っていた。愛車XJ-750Eでだ
研究室で深夜まで作業を続けるようになったころは、毎夜中に飛ばしていた。
とても表だっては言えないようなスピードを出していたけど怖いとか、危ないとか感じていなかった。
世田谷から環八の左90度コーナーを腰を落として曲がって、多摩川の上は上りの料金所を避けるために下り車線がS字にうねっている所をフレームがよじれるような速度でねじ伏せながら駆け抜けていった。
ステアリングを握りながら、あれから20年も経っているとは思えない不思議な錯覚に陥っていた。
路面は昔のままだ、途中ICが一カ所増えたけれど、それ以外は何も変わっていない。夜中の第三京浜はトラフィックが少なく、速度を抑えればドライバーを優しく迎えてくれる
あのころの僕は、可能性に溢れ、怖い物など無く、お腹も出ていなく、そして責任もなかった。
今では、お腹はせり出し、運転しているのはバイクではなく、ワンボックスの車だ、さらに後部座席にはチャイルドシートが二つもついている。いろいろな責任が両肩にずっしりのっかっている。おまけに腰痛まで持っている。
嬉しいことや、悲しいことを少しずつ思い出してはやめた
感慨に浸りながらセレナを右足でコントロールする。オレンジ色のスピードメーターが緩やかに踊っている。
今夜のセレナはタイムマシンだ。
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